2026.9.10
中古アスファルトフィニッシャーの見分け方|プロが見る7つのチェック箇所

中古のアスファルトフィニッシャーを購入しようとお探しのあなたさま。ぱっと見の外装は綺麗でもトラブルを抱えているケースが少なくありません。

この機械が傷むのは外側ではなく、合材の熱と摩擦を直接受け続ける「仕事をする部分」からです。スクリードやオーガが減った個体を掴んでしまうと舗装面が安定せず、安く買ったつもりの差額は結局のところ修理代で消えていきます。

中古アスファルトフィニッシャーの状態の良い個体の見分け方を重機修理と中古重機販売を専門に行う埼玉県熊谷市にございます彩重機がご紹介いたします。

現車を見る前に、数字で候補を絞る

現車確認は時間もお金もかかります。動く前にカタログ値と書類だけで判断できることを済ませておくと、無駄足がかなり減ります。

アワーメーターと年式の釣り合いを見る

稼働時間は少ないほど良い、とは限りません。長く止まっていた個体はシール類やゴム部品、ヒーターの配線が痛んでいることがあります。年式のわりに極端に稼働が短い個体は、なぜ動いていなかったのかを聞いてみてください。

年式相応に使われてきた機械のほうが、素性がはっきりしていて読みやすい。中古機を長く見ているとそう感じます。

クローラ式かホイール式かを先に決める

クローラ式は接地面積が広く、軟弱地盤や勾配のある現場で安定します。ただし公道走行は原則できませんので、現場間の移動は回送トラック前提とお考えください。

ホイール式はナンバーを取得すれば公道を自走できます。全幅2.5m以下・最高速度15km/h未満といった条件に収まれば小型特殊、超えれば大型特殊の扱いです。小さな現場を数多く回る会社さんの場合、この差が年間の回送費にそのまま効いてきます。

舗装幅が自社の現場に合っているか

アスファルトフィニッシャーは舗装幅でシリーズが分かれます。住友建機を例にとれば、0.8〜2.5mのミニクラス、2.0〜4.5mのクラス、2.3〜6.0mのクラスといった具合で、伸ばせる幅も機械の大きさも変わってきます。

生活道路や駐車場が中心の会社が大型を買っても持て余しますし、逆に幅の足りない機械では継ぎ目が増えます。メーカーごとの得意な領域については別記事にまとめました。

心臓部であるスクリードをチェックする

アスファルトフィニッシャーの心臓部であるスクリードの状態が悪い中古個体ですと舗装の仕上がりがガタガタになってしまいます。

スクリードは合材を敷き均しながら締め固める部分で、ここの精度がそのまま路面に出ます。修理費用も他の部位に比べて大きくなりがちですから、真っ先に見てください。

底板(スクリードプレート)の摩耗

アスファルトと直接タッチする底板が摩耗しすぎていないか、偏った形状で摩耗していないかをチェックしてみてください。

見るべきは減りの量より減り方です。左右で厚みが違う、片側だけ角が丸いといった片減りは、スクリードの取り付けやレベリングの狂いが背景にあることがあります。底板だけ替えても同じ減り方を繰り返しますので、原因側の確認が要ります。

手のひらを当てて段差がはっきり分かるほど減っていれば、交換前提で考えたほうが無難です。

ヒーターの点火と発熱

アスファルトが冷えて付着するのを防ぐヒーター部位の点火と発熱の一連の動作がスムーズに行う事が出来るかのチェックをしてみてください。

確認したいのは「点くかどうか」ではなく「全幅が均一に温まるか」です。片側だけ温度が上がらない場合、ヒーター本体ではなく配線やリレー、温度センサー側が原因のこともあります。電気式かガス式かで見る場所も変わりますので、方式は必ず聞いておいてください。

伸縮スクリードのガタ

伸縮式であれば、縮めた状態と伸ばした状態の両方で動かしてもらってください。摺動部にガタがあると、伸ばしたときに舗装面へ段差として出ます。動きが渋い、途中で引っかかるといった症状は、摺動面の摩耗か油圧側の劣化のサインです。

オーガとコンベアは摩耗の最前線

アスファルトと直接触れ合いながら激しく回転・駆動を行う為、非常に摩耗しやすい箇所となっています。

オーガ(スクリュ羽根)の減り

まず、羽根の厚みがしっかりと残っているかのチェックが必要です。

更には角が取れて丸くなっていたり、薄くなっている、欠けているなどが目立つ場合は要交換のサインです。

羽根の外径が減ると合材の送り量が落ち、スクリード手前の合材の溜まりが一定しなくなります。この溜まりが揺れれば、仕上がりの厚みも揺れます。左右で減り方が違うときは、羽根そのものより送り量を制御するセンサー側を疑ってみてください。

コンベアチェーンの張りとバーの変形

アスファルト合材を運ぶコンベアのチェーンの張りをチェックしてください。
緩すぎず張り過ぎず適正な状態が望ましいです。

また、バーの変形にも注目してチェックをお願いします。

あわせてアジャスターの残りしろも見ておくと確実です。チェーンが伸びきっていて調整代が残っていない個体は、購入後すぐにチェーン交換が必要になります。

摩耗部品は価格交渉の材料になる

ここまで挙げた底板・オーガ・チェーンは、いずれ必ず交換する消耗品です。減っていること自体は買わない理由になりません。交換にいくらかかるかを見積もったうえで、その分を価格に反映してもらう。これが中古機の現実的な買い方だと思います。

弊社でも、お客様が他社さんで見つけた個体について「この状態なら交換にいくらかかるのか」というご相談をいただくことがあります。判断がつかない場合は写真を送っていただければ概算をお伝えできます。

ホッパは前オーナーの整備姿勢が一目でわかる

アスファルト合材を受ける前方のホッパーを見れば、日々のメンテナンス状況が一目で分かってしまいます。

ここが綺麗に保たれている中古アスファルトフィニッシャーは大事に使われている事が多いので基本当たり個体が多いです。

合材の固着

細かいですがホッパー内やウイング内に古いアスファルトの固着が見られる場合は清掃やメンテナンスを疎かにしている可能性が大ですので、他の箇所もメンテナンス不足の可能性が高まります。

作業後に毎回落としていれば固着はしません。逆に言えば、固着があるということは日々の片付けが省かれてきたということです。

変形や穴あき

ダンプトラックからアスファルト合材を受け取る際に起こる接触による激しい凹みや、摩耗による鉄板の穴あきがないかチェックします。

ホッパ底面の板厚が落ちていると、合材の重みで少しずつ変形が進みます。溶接で当て板をした跡がある場合は、その周囲もあわせて見ておいてください。

ウイングシリンダーの油漏れ

ここだけではないですが、ホッパーウイングの開閉部分のシリンダーシールから油漏れがないかをチェックしてください。

同じ油漏れでも、シール交換で収まるのか、ロッドに傷が入っていて研磨やロッド交換まで必要なのかで金額は一桁変わります。ロッドを伸ばした状態にしてもらい、表面に縦傷がないかを見てください。ここは弊社の修理でも判断が分かれるところで、正直なところ写真だけでは断定しづらい部分です。

現車を見に行けないときの写真・動画の頼み方

現地で確認を行う事が最良ではありますが、良い状態の個体があなたさまのエリアに入荷されるとは限りません。そのような場合は、気になる箇所の写真や動画を複数提示して貰うことになります。

ただ、漠然と「写真をください」と伝えても、届くのはたいてい外観の全景が数枚だけ。次のように具体的に指定すると、判断に使える材料が返ってきます。

・スクリード底板を真横から、左右の端をそれぞれ
・ヒーターを入れて10分後のスクリード全幅
・オーガを回している動画(音が入るように)
・ホッパ内側を上から見下ろした1枚
・アワーメーターと銘板(型式・製造番号)

動画でとくに効くのが、エンジン始動の瞬間から3分間を切らずに撮ってもらうことです。白煙や異音、警告灯は始動直後の数分に出て、暖まると消えてしまいます。編集された動画では分からない部分が、ここに出ます。

よくある質問

中古のアスファルトフィニッシャーはいくらぐらいですか?

新車は舗装幅で大きく変わります。舗装幅1.4m前後のミニクラスで1,000万円台、2〜4.5mのクラスで3,000万円台、6m級になると6,000万〜8,000万円台というのがおおよその感覚です。中古は年式・稼働時間・スクリード幅次第で、古い小型機なら数百万円台の個体もありますが、中型以上では1,000万円を超えるものも珍しくありません。摩耗部品がどれだけ残っているかで購入後の出費が変わりますので、本体価格だけで比べないことをお勧めします。

運転するのに資格は必要ですか?

意外に思われるかもしれませんが、アスファルトフィニッシャーは労働安全衛生法施行令別表第7に挙げられた「車両系建設機械」には含まれておらず、運転技能講習が法令で一律に義務づけられているわけではありません。ただし実務では、元請の安全管理基準や現場の入場要件として車両系建設機械の技能講習修了を求められることが多くあります。公道を自走する場合は、機体の寸法と最高速度に応じて小型特殊または大型特殊自動車免許が必要です。要件は現場ごとに異なりますので、元請や教習機関にご確認ください。

クローラ式とホイール式、どちらを選ぶべきですか?

現場の地盤と移動頻度で決まります。軟弱地盤や勾配のある現場が多いならクローラ式、小規模な現場を数多く回るならホイール式が扱いやすいです。回送トラックを自社でお持ちかどうかも判断材料になります。

買ってすぐ現場に入れられますか?

販売店によって納車前の整備範囲が大きく異なります。注文が入るまで現状で保管し、引き渡し時に整備する店もあれば、現状渡しの店もあります。どこまで整備してもらえるのかは、契約前に書面で確認しておいてください。

まとめ

上記に挙げた箇所以外にも細かく言えばもっと沢山チェック箇所はありますが、必要最低限まずはこれらの部分をチェックしてみてください。

何台か見比べてみると、より良い中古アスファルトフィニッシャーの個体が見つかると思います。
見比べるうちに、外装のきれいさと中身の状態が必ずしも一致しないことが分かってくるはずです。

また中古重機業者さんによっては注文が入るまでは現状で保管し、お客様の元に渡る時は完璧な整備を施しての販売。という場合も往々としてにしてございますので、お渡し時の条件も確認した方が無難です。

弊社、彩重機でも程度の良い中古アスファルトフィニッシャーが定期的に入荷がございます。

お探しの個体がございましたらお気軽にご相談くださいませ。

修理を本業にしている分、入荷の時点で直すべき箇所は把握したうえでお渡ししています。ご検討中の個体が他社さんのものであっても、状態の見方についてのご相談は歓迎です。埼玉県熊谷市から全国へ発送しております。