中古アスファルトフィニッシャーを購入する際にメーカーを気にされたことはありますか?
現在、日本国内でアスファルトフィニッシャーを製造しているのは住友建機と範多機械の2社です。日本建設機械工業会にアスファルトフィニッシャのメーカーとして名を連ねているのも、この2社に海外系のヴィルトゲン・ジャパン(ヴォーゲレ)を加えた3社だけ。
そして中古を選ぶうえで本当に効いてくるのは、性能よりも「部品が何日で届くか」です。
中古アスファルトフィニッシャー選びの際に参考になれば幸いです。
目次
日本国内で使うなら迷わず国産を第一候補に
中古アスファルトフィニッシャーを国産メーカーを第一候補にする理由は消耗部品の供給網や手元に届くまでのスピードが海外メーカーに比べると速いからです。
万が一の作業中ストップは何トンものアスファルトが個体に付着して固まるという大惨事を想定しないといけなく、「消耗部品がすぐに届くか」「出張修理に対応できる弊社、彩重機のような修理業者が近くにいるか」が極めて重要になります。
ご存知かと思いますが、まずは日本メーカーをご紹介いたします。
作業中に止まると、何が起きるか
大袈裟な話ではありません。アスファルト合材には施工上の温度基準があり、敷均しの段階で110℃を下回らないこととされています。
フィニッシャーはホッパで受けた合材を、コンベアで送り、スクリュで広げ、スクリードで敷き均すという連続した流れで動いています。途中で止まれば、この経路すべてに高温の合材が残ったまま冷えていきます。
固まった合材はすべて掻き出すことになりますし、その分の材料は使えません。再開しても継目ができますので、仕上がりの平坦性にも響きます。トラックの手配も止まります。
だからこそ「部品が届くか」「その日のうちに来てくれる修理屋がいるか」が、機械の性能より先に来るわけです。
住友建機
アスファルトフィニッシャーで国内トップシェアを掲げるメーカーです。
公式に数値が公表されているわけではありませんが、現場でも中古市場でも住友建機の機体を見る機会が一番多いのは確かです。
強みは中型~大型モデルに非常に強く、舗装の平坦性(仕上がりの美しさ)や操作のしやすさは太鼓判を押せるのではないでしょうか。
現行のラインナップは舗装幅2.0〜4.5mのHA45シリーズと、2.3〜6.0mのHA60シリーズが中心です。かつては舗装幅9.0mまで対応するHA90C-2という大型機も出していました。
なお住友建機は0.8〜4.1mのミニアスファルトフィニッシャも9型式そろえています。「住友=大型」というイメージが強いですが、小型が弱いわけではありません。
国内市場NO.1シェアですので中古市場でも流通量が多く、状態の良い中古アスファルトフィニッシャーにも出会える可能性が大です。
部品供給網もしっかりと整っており、幅の広い国道や高速道路のお仕事が主な会社は迷わず第一候補にすると間違いがありません。
範多機械
範多機械(ハンタ)は1955年創業、大阪に本社を置く道路・舗装機械の専業メーカーです。アスファルトフィニッシャー市場に参入したのは1964年。総合建機メーカーではなく、舗装機械だけを作り続けてきた会社という点が住友建機との一番の違いです。
(補足:日本初のアスファルトフィニッシャーの国産化は1956年、東京工機による「TK-6」です。範多機械を「国産初」と書いている記事を見かけますが、正確ではありません。)
取り扱うアスファルトフィニッシャーの特徴としては住宅街の生活道路や、狭い路地が多い日本の現場事情に合わせた小型〜中型モデル(ミニフィニッシャーなど)に非常に強く、日本の道路インフラを守っていると言っても過言ではありません。
舗装幅0.8mのクローラ式から6.0mのホイール式まで、小さいほうの幅が広く取られているのが同社のラインナップの特徴です。
都市部の工事を請け負う道路工事業者から根強い人気と信頼を集めているのがその証拠です。
部品供給の体制も整っています。全国に9つの営業所と、大阪の部品センターを含む12拠点。舗装機械の専業メーカーですので、古い機体の部品についても相談しやすい会社です。
中古で気をつけたいのが「撤退メーカーの機体」
ここが中古アスファルトフィニッシャー選びで一番見落とされる部分です。
中古市場には、すでにアスファルトフィニッシャーの製造から撤退したメーカーの機体が相当数残っています。新潟鐵工所、キャタピラージャパン(三菱ブランド)、川崎重工業、東京工機あたりの名前を中古在庫で見かけたことがある方も多いはずです。
機械そのものは丈夫に作られていますし、値段も手頃です。問題は、壊れたときに部品が出るかどうか。汎用の油圧部品やベアリングなら代替が効きますが、スクリードまわりや専用の制御部品となると話が変わります。
手を出すなという意味ではありません。買われるのであれば、事前に「この機体の部品は今も出るのか」を販売店や修理業者に確認してから決めてください。弊社でもお調べできます。
公共工事が多いなら、排ガス規制の確認を
もうひとつ、年式の古い中古機で確認しておきたいのが排出ガス規制です。
まず誤解されがちな点から。オフロード法(特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律)では、適正な基準適合表示がついている機械であれば、規制が強化された後も引き続き使用できます。古い機械が違法になるわけではありません。
ただし国土交通省の直轄工事などでは、「排出ガス対策型建設機械」の指定を受けた機体を使うことが原則とされています。アスファルトフィニッシャーもこの指定制度の対象機種です。
公共工事の元請から入る仕事が多い会社さんは、購入前に指定の有無と、どの基準に適合しているかを確認しておいてください。安く買えたのに現場に入れない、というのが一番もったいない失敗です。
よくある質問
海外メーカーの中古はやめたほうがいいですか?
一律にやめるべきとは思いません。ヴォーゲレのように日本に正規の窓口を持つメーカーであれば部品も出ます。ただし国産2社と比べて国内の拠点数は少なく、機種によっては取り寄せになります。稼働が止まったときにどれだけ待てるか、で判断してください。
住友建機と範多機械、どちらを選ぶべきですか?
舗装幅で決まります。国道や高速道路など幅の広い舗装が主体なら住友建機、生活道路や路地の補修が中心なら範多機械の小型機が扱いやすいです。中古の玉数は住友建機のほうが多い印象です。
部品はどれくらいで届くものですか?
部品と在庫状況によりますので、一概には申し上げられません。ただ国産2社は国内に部品センターを持っていますので、汎用的な消耗部品であれば早いです。特殊な部品や旧型機の部品は取り寄せになることもありますので、繁忙期に入る前に予備を持っておくという考え方もあります。
まとめ
海外メーカーの機械が向いている現場もあります。 ただ、利用用途や場面が限られていますので殆どの道路工事・舗装業者さんは当てはまらないと思います。
部品供給網と出張修理が可能な重機修理業者さんが確認出来たら、まずは国産メーカーの中古アスファルトフィニッシャーを探してみてください。
メーカーで絞り込めたら、次は個体の状態です。スクリードやオーガのどこを見ればいいかは別記事にまとめましたので、あわせてご覧ください。
中古アスファルトフィニッシャーをお探しのあなたさまは、埼玉県熊谷市にございます彩重機までお気軽にご相談戴ければと思います。
全国各地に発送が可能でございますのでご利用くださいませ。
他社さんで見つけられた個体について「この年式で部品は出るのか」「この状態でいくらかかるのか」といったご相談も承っております。修理を本業にしている立場から、忌憚のないところをお伝えします。
